大学4年でジェンダーの卒論を書きます。
テーマで悩んでるんですが、とりあえず「戦隊シリーズ」やアニメにおけるジェンダーの特徴や問題を扱おうと思っています。
そこでアドバイスをいただけませんか?
扱いたい題材(救急戦隊ゴーゴーファイブ、ドラゴンボール等)は絞れているのですが、そこから何を卒論で主張していいか悩んでいます。
特撮やアニメが幼児に与える影響?
特撮やアニメによる男女別役割?
特撮やアニメによる子どものアイデンティティの形成?
いろいろテーマは一応浮かぶんですが、そこから何を主張すればいいのか、特撮やアニメによるジェンダー規範とか、何が問題になっているのかわかりません。
ひとつのジェンダー規範として、特撮やアニメの中では男性が前に出て戦い、女性が男性の補佐をしたり、などといった特徴は見て取れるのですが、それは子どもが性役割などを学ぶには問題ないことだと思います。別にそれくらいなら性規範の押し付けとも感じません。
皆さんが特撮やアニメを見てきた中で、ジェンダー的に問題だなぁと感じたり、ここはジェンダー的におかしい!とか感じたりした部分って今までありましたか?
以上を踏まえて、何かアドバイスがあればお願いします。
スーパー戦隊シリーズの歴史において、ジェンダー論は実は切っても切れない存在です。
そもそも秘密戦隊ゴレンジャー開始時において、特撮ヒーロー=男の子のものとする風潮があり、女性はサブキャラかお色気担当に限られていました。仮面ライダーやウルトラマンでも、女性ヒーローは一部の例外程度にとどまっています。そこへきて、複数ヒーローとは言えメインメンバーの中に女性が混じるのはいかがなものか、と考える時代的な背景がありました。しかしモモレンジャーは爆弾のスペシャリストという他のメンバーと同格の特殊技能を持ち、かつ女性ならではのきめ細かい優しさを持つ新時代の女性ヒーロー像として受け入れられていくのです。また後の作品でも、腕力の差は「スピード重視などの戦闘スタイルの差」として解釈することが多くなります。
以降、大きな転換点としては
・バイオマンにて初の女性二人体制
・フラッシュマンにてイエローとピンクが変身後名乗りを拒否するシーンがあり、このあたりから女性も完全に同格とする動きが強まる
・ジェットマンは「戦うトレンディドラマ」と揶揄されるほど時代性が強く、ヒロインをめぐる恋愛ドラマ要素が強い
・ダイレンジャーのホウオウレンジャーは、潜在能力としては男性メンバーより強い
・カクレンジャーのニンジャホワイトが最年少ながら初の女性リーダーとなる。
・オーレンジャー以降の数作品、ヒロインの水着シーンがサービス的に入る傾向がある
・イエローは知性派、ピンクはムードメーカー、など複数ヒロインにおける棲み分けがこのあたりから顕著になる
・ゴーゴーファイブのゴーピンクは「救急救命士」であり、ナースといった表現はしていない
・ガオレンジャーVSスーパー戦隊において、メガピンクが女性戦士のありかたについて語るシーンがある
・ハリケンブルー、ゲキイエローなど3人戦隊のヒロインは流派、戦闘スタイルなどの違い以外は完全に男性と同格の活躍をすることが多い
・海外版パワーレンジャーでは人種・性に対する配慮がもっと顕著で、5人中1人が女性の戦隊ではなるべく1人女性にシフトしている
などなど、シリーズを重ねるごとに変遷しています。
卒論のテーマとして扱うなら、たとえば実際のジェンダー問題やブームなどの年表を用意して、その少し後に放送された番組(特撮、アニメ問わず)での女性の扱いの変化を追いかけてみる、なんてのはどうでしょう。「ジェンダーと大衆文化の変遷」なんて感じで。
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